カー・ウォーズでRPGは可能?

可能です。

しかし他のRPGとはキャラクターの扱いにいささか差異があります。


他の多くのRPGでは主役は「プレイヤーが操作しているキャラクター」です。プレイヤーの分身と言えるキャラクターですので細かな能力値によって個性付けがされています。

また、(ルール的に)死ににくくなっていることと思います。


いっぽう、カー・ウォーズでは主役は「武装車輛」であり、乗員は「武装車輛を構成するパーツ」という立ち位置になります。

乗員というパーツはDP(ヒットポイント)は「3」しかなく、

・ダメージ「1」で重症(運転などにスキルボーナスを適用できなくなる)、

・ダメージ「2」で気絶、

・ダメージ「3」で死亡

という潔さです。

…まあこれは「武装車輛を攻撃出来るくらいの武器」で「人間を攻撃」した場合を想定している訳ですから、当然と言えば当然ですね。(.50口径のマシンガンの掃射を何度も浴びて生きている人間はまずいません…)


現代モノ・近未来モノのRPGだと、ハンドウェポンでお互い少しずつ相手のヒットポイントを削っていくといった戦いが多いかと思います。ヒットポイントがレッドゾーンに近付くことで「ヤバい」という雰囲気の演出にもなり、プレイヤーはギリギリの緊張感を楽しむことが出来ます。


ところがカー・ウォーズだと、アッサリお亡くなりになります。

だいたい乗っている車が横転・爆発したり、ミサイルの直撃を受けたり、車輛を貫通するほどのレーザー掃射を受けた時点で生きていられる人間はいません。

ですから邦訳版のルールでも、一人(に思い入れを持って)を成長させるのではなく、何らかの組織に所属していることにして、もしキャラクターがゲーム中に死亡したら組織から交代要員がやって来るという遊び方を推奨しています。


このように簡単にロストしてしまいやすいカー・ウォーズ世界のキャラクター達ですが、それでもRPGをするメリットはあります。

それは「武装車輛を構成するパーツ群の中で唯一、経験値を貯めて成長することが可能」という点です。


カー・ウォーズでは様々な判定で乗員のスキルを加算することが可能です。

特に射撃は顕著で、《射手》スキルのレベルが高ければ命中率が格段に上がります。頑張ってレベルアップさせたベテラン射手をキューポラ(球状砲塔)に乗せたトレーラー・トラックとかには、正直近付きたくありません。(笑)

また《ドライバー》スキル等も、邦訳版では最初のHC算出時に使用されるだけですが、未訳版のルールでは様々な判定時に(ダメージから逃れるために)使用できるよう、用途が広がりました。


さて「乗員」としての視点でずっと書きましたが、カー・ウォーズの「クラッシュ・シティ」から「歩行者」というルールが追加されており、武装車輛に乗っていなくても戦えるようになりました。

三脚で設置したマシンガンや無反動砲で拠点防衛する他、対戦車ロケットを肩に担いで撃つことも可能です。また大型拳銃・小型拳銃・複数種類の手榴弾(グレネード)等もあります。これらを使って対人戦闘をすることも可能です。(対人格闘用に《マーシャルアーツ》というスキルもあります。)


これらのルール・データを用いて、他のRPGのように「人 対 人」の戦いを遊ぶことも可能ですが、カー・ウォーズの世界ではあまり主流にはなりにくいですね。だってDPが「3」しかないわけですから。すぐ決着がつきます。


もし「人 対 人」を主流にしたいなら、うーん、やはりカー・ウォーズではなく、GURPS等の他システムを使用するほうが適切です。

あ、GURPSには、未邦訳ですが「GURPS AUTODUEL」というサプリメントがありカー・ウォーズの世界をGURPSで遊べるようになっていますよ。

車輛を作るなら「GURPS VEHICLES」もどうぞ。


(2021/10/10 作成)

ボードゲームとRPGに関する駄文

はじめまして。あるいはこんにちは。 少年時代を昭和で過ごしたロートルです。 令和になり、試しにサイトなどを開設してみようと思い立ちました。 ネタを何にするかと見廻したところ、僅かですが手持ちのアナログゲームが目に留まったのでこれを少しずつ紹介していこうと思います。 自己満足のためのサイトですがご容赦を。