2020/03/29 後半追記。
2020/04/09 リンク等追記。
2021/03/01 表の一部で枠線がなかった点を修正。)
タイトル:「POWERPLAY」(パワープレイ)
特定の世界観を持たない、ファンタジー系のRPGです。
当時はさまざまなRPGのシステムが販売されていました。
この作品は下記の個性的な特徴があり、私はいまも好んでいます。
刺さる人には刺さる良作だと思います。
■特徴
・多様な種族を選択可能
・多様な職業を選択可能
・魔法の系統も多種用意
・武器の攻撃方法毎に、ダメージ算出方法を変えて個性を持たせている
・判定の難易度をプレイヤーがある程度調整可能
■種族に関して:
「POWER PLAY」では6種族から選択可能です。
サプリメントにあたる「POWER PLAY 2」では更に7種族追加され、「POWER PLAY MAGIC MANUAL」でも更に6種族追加されて、計19種族から選べるようになりました。
この記事を書いている2020年には「ソード・ワールド 2.0」等、多様な種族をプレイヤーキャラクターとして選択可能なRPGがありますが、1990年代当時はこれほどの種族を選択できる国産RPGは「POWER PLAY」以外ではちょっと記憶にありません。(私が知っているシステムの数がそもそも少ないので、他にもあったのかも知れませんがご容赦を。)
人間・エルフ・ドワーフ・ホビットあたりはよく聞く種族かと思いますが、翼人・巨人・マーマン(人魚)・レプタリアン(リザードマンと呼ぶほうが伝わりやすいでしょうか)・獣人など、けっこうな種類が揃えられています。
作中にない種族をプレイしたい場合でも、既存種族をアレンジすればたぶんだいたい賄えます。
種族にメリハリを持たせるために、キャラクターを特徴づけるパラメータは12個あります。
数が多いと「ウヘェ」となってしまいそうですが、サイコロ振るだけなので負担はあまりありません。
それよりも、唯一無二の「自分のキャラクター」を表せる楽しさのほうが大きいと思います。
RPGの楽しさのひとつに、「キャラクターメイキング」がありますよね。
後述の職業と併せて、キャラクターメイキングが結構楽しいゲームですよ。
■職業について:
「POWER PLAY」では14種の職業から選択可能です。
「POWER PLAY 2」では10種追加されました。
「POWER PLAY MAGIC MANUAL」でも更に追加されました。
この作品では複数の職業に就くことは出来ません。
但しオプションルールとして、条件を満たせば転職が認められます。
魔法を使うキャクターが転職した場合、覚えている魔法は転職後も使用可能です。
ルールブックにない職業をプレイしたい場合でも、既存職業をベースにして生み出せると思います。
職業のうち「見者」「伝令」「死霊使い」「死霊騎士」はNPC用と記されていました。
■魔法について:
「POWER PLAY」では「魔法」「奇跡(神聖魔法)」「呪歌」の3系統でした。
「POWER PLAY 2」では「呪舞」「精霊術」「気功法」の3系統が追加されました。
「POWER PLAY MAGIC MANUAL」では「幻術」「練筋術」「見術」「死霊術」の4系統が追加されました。
但しこのうち「見術」「死霊術」の2つは、NPC用と記されていました。
私のイチ押しは「練筋術」です。
...誤字ではありません。「練筋術」で合っています(笑)。
この術は鍛えた筋肉で各種魔法を発動させます。ここだけ読むと「ふざけているのか」と言いたくなりますが、用意されている術はなかなかどうして実用的なものが多く、ダンジョン探索等では最も活躍する可能性が高い魔法系統と言えるかと。
この作品の魔法はLevel-UPすれば自動で憶えるのではなく、系統内の魔法を一つずつ「憶えたかどうか」判定します。(能力値の「記憶力」はここに関係します)
判定に失敗すると、簡単な魔法であっても憶えていないことになり、使用できません。
運が悪いと高レベルの術師であっても「簡単な魔法なのに知らないものがある」という状態になり得ます。
また、MPを消費するタイプではなく、魔法ごとに「一日に唱えられる回数」が決まっているタイプです(Wizardry的ですね)。
よって冒険の残りでの必要度合を予測しながら魔法を選択する必要があります。
このルールはなかなか緊張感を呼びますね。
この作品では魔法と職業は不可分です。
職業によって、使用可能な魔法系統が決まっています。
同一の魔法系統を使用できる職業が複数存在しますが、1つはその系統の専門家で、残りは他の職業が半分混ざったような職業です。
(例:「怪盗」は、「幻術師」と「盗賊」が半々です。)
ルールブックに載っている職業と、魔法系統の表は下記になります。
(2020/03/28時点ここまで。2020/03/29に下記追記。)
■武器について:
武器はダメージを与える方法を大きく下記3種類に分類し、それぞれ違うダメージ算出方式を定義しています。
それぞれ一長一短があり、キャラクターの個性付けになりますよ。
個人的には、相対する敵の装甲が硬いほど、叩く系の武器の固定ダメージの良さが際立つようになりますので、この作品のような武器の特徴付けは好きです。
(プレイヤーキャラクターはやはりヒーローです。
イメージとして、こん棒やハンマーよりも剣を持たせるほうが格好良いので叩く系武器は選択肢から外れがちです。
しかしこのルールによって予備武器としてメイス等が選ばれるようになります。
あまり陽の目を見なさそうな武器がアイテムが活躍するシーンが、私は大好物なのでこういう設定は大好きです。)
…と、ここまでがプレイヤーキャラクターに関する紹介でした。
次に、この作品のもう一つの特徴である行為判定方法を紹介します。
■行為判定について:
この作品では行為判定は「サイコロを振って目標値以上の値を出せば成功」となります。
能力が高いとサイコロの個数が増え、加算できるボーナスも増えます。
但し「一つでも1が出たらファンブル」というペナルティもあります。
サイコロを沢山振れれば目標値に達し易くなりますが、同時にファンブルする危険性も上がる訳です。
そこでこの作品では「サイコロの個数を減らして振っても良い」というルールも用意されています。
目標値に達することが出来、且つファンブルの危険性を下げるための最も良い塩梅を考えてサイコロの数を調整するわけですね。
これで普段の行為判定もなかなか緊張感を持ったものになります。
個人的には、この「サイコロの個数を自分で調整し、良い具合のところを探る」というのはなかなか優れたシステムではないかと思います。
当時、私は「ソード・ワールド」を専ら遊んでおり、如何に出目を高くするかばかり考えておりましたので、この作品の行為判定ルールを読んだときは新鮮でした。
■その他:
特定の世界観を持たぬ作品なのでGMが世界を用意する必要があります。
その点がもしかしたらハードルなのかもしれません。
もしこの作品に触れる機会がありますときは、「他の作品の世界をPOWER PLAYのルールで遊ぶ」という方法が良いかもしれません。
また、繰り返しですみませんがキャラクターメイキングが楽しいです。
種族や職業が多様なので。自作も推奨されています。
キャラクターメイキングが好きというかたには、おススメですよ。
サイコロの個数を調整する行為判定は、採用可能そうであれば他のシステムにオプションとして取り込むのもアリだと思います。
マンネリになりがちなときにこのルールを提示すれば、ダイスロールもなかなか緊迫感が出てきますよ。
...「POWER PLAY」はかれこれ30年前の作品ですので、今では入手は難しくなりました。
しかし上述のように当時としてはなかなかな特徴を備えたシステムであり、他のゲームで遊ぶにしても現在に於いても参考になる点があると考えています。
もし触れる機会がありましたら、是非ご覧になってみることをお勧めします。
(2020/03/29時点ここまで。2020/04/09に下記追記。)
作者の山北 篤先生のサイトがあり、そちらでもPOWER PLAYに関するページがありました。
上記サイトの途中に「◆TRPG関係」というリンクがあります。
「TRPG関係」のページで、更に「▲『パワープレイ』」を選択しますと「パワープレイ ネット版」の紹介ページへ遷移します。
ルールやデータが公開されていますので、ご興味ありましたらこちらをご覧頂くと良いかと思います。
また、ウィキペディアにも載っていましたね。
ウィキペディアを読んで知ったのですが、2000年に「パワープレイ プログレス」という名前で「POWER PLAY」から「MAGIC MANUAL」までを統合・改訂した版が出版されているそうですね。
もし入手されるならそちらがよろしいかもしれません。
2020/04/09
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