(2020/07/04 公開。)
タイトル:「闇からの脅威」
著者:水野 良/グループSNE
出版社:富士見書房
リリース年:平成3年
ジャンル:ファンタジーRPG
「ソード・ワールド」のシナリオ集5弾目です。
第4弾のキャンペーンシナリオ「虹の水晶宮」からさほど間を置かずにリリースされたと記憶しています。
ふたたび低レベル冒険者向けのシナリオ集となりました。
本の厚みは「虹の水晶宮」の約半分しかありませんが、シナリオは1本増えて6本収蔵されています。
雰囲気も内容もバラエティに富んだ内容になっています。
最初のシナリオ集「石巨人の迷宮」と比較しますと、何といいますか…余分なところがそぎ落とされた本になっている という印象を受けました。
…あ、「石巨人の迷宮」に余分なところがある と言っている訳ではありませんよ(笑)。
「石巨人の迷宮」は最初のシナリオ集として、"TRPGの遊び方の説明"にページを割いている印象がありました。
いっぽう「闇からの脅威」は第5弾なので「遊び方はある程度わかっている」前提でシナリオが載っておりました。
それぞれの順番・役割を考えますと、適切であったと思います。
私が好きなのは「冒険者は珍味を好む」ですね。
多少コミカルなシナリオです。
…いまだと「モンスターハンター」というTVゲームや「ダンジョン飯」という漫画がありますので「冒険者も食事を楽しむ」ということは普通の間隔として受け入れられているのかな、と思います。
しかし当時「ソード・ワールド」をプレイしていた私(と友人)にとっては、「冒険者が食事と休息をとる」ことは、一種の記号にすぎませんでした。
私(プレイヤー)「…んじゃそろそろここでキャンプ張って弁当食べる。」
GM「いいよ。荷物から食料を-1しといて。」
私「了解。減らした。」
GM「じゃあ2時間くらい経過かな?(メモメモ)」
:
上記のような感じで。
「我々が楽しむのは『キャラクターに実行させる冒険』」である、と、暗黙のうちに私と友人達は考えておりました。
「キャラクターがその世界内で食事を楽しんだり誰かを好きになったり、喜怒哀楽を持って『人生を生きている』ことを楽しむ」とは、思い至れていなかったんですね。
いまにして考えますと、コンピュータゲームをそのままTRPGに置き換えただけのような感じで遊んでおりました。
ぎこちないTRPGでした。
「冒険者は珍味を好む」を読んだとき、「…そう言えばうちのキャラクター達だって、どうせなら美味いもん喰いたいだろうよ。そりゃ。楽しいことを経験して腹抱えて笑いたいだろうよ。…なんでいままで気付かなかったんだ?」という考えに至りました。
…この後、我々のキャラクター達は少しずつではありますが『生きたキャラクター』になってくれたように思います。
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